GBR(骨造成法)
- 骨の状態が悪いときに世界的に最も広く行われている骨造成手術
- 骨ができるまで、最低半年間必要
骨の状態がインプラント埋入に適さない場合には、骨造成手術が必要になります。
GBRはもっとも良く利用される骨造成手術のひとつです。
GBRについて
GBRのメリット
- 応用範囲も広く適応範囲が広い
- 骨の幅・高さの増加、両方ともに適応できる
- 世界的に広く行われている骨造成手術
GBR※は骨の再生誘導する手術のことです。
この方法はもともと、歯周病治療での歯周組織を再生させるために開発された再生誘導法(GTR)という手術方法が、インプラント治療の骨の幅や高さの再生方法に応用されたものです。
骨の幅が低く薄い場合にも適応でき、インプラント治療において幅広く応用できます。
GBR・・・骨再生誘導法。Guided Bone Regenerationの略
GBRの手順
まず、骨幅や高さを増やしたい部分に、骨面にネジや骨のブロックを置いて骨再生のためのスペースを作ります。
そのスペースに自家骨※とその他の骨類似物質を混ぜ合わせたものを置き、(軟組織を遮断する)遮断膜で被覆させてその上に歯茎を被せて縫合して静かにおくと骨が膜の中のスペースに成長して約半年~1年ぐらいで膜の中は骨で埋まり、骨の幅や高さが増やせます。
自家骨・・・自分自身の骨
遮断膜
遮断膜とは、GBRその他に応用される、骨ができるまで歯茎の進入を防ぎ、骨の再生を促す膜のことです。
骨の成長は大変遅く、軟組織(歯肉)の成長のほうがとても速いため、骨を作る部分に歯ぐきが進入することを防がなくてはなりません。
歯ぐきが骨を作るスペースを埋めてしまうと、骨は成長できなくなります。
遮断膜は、骨ができるまで歯ぐきの進入を防ぐバリアの働きをします。
骨を作るには
骨を作りたい部分に自分の骨や骨補填材とよばれる代替材をまぜたものを、骨再生のためのスペース内に入れて骨の成長を促します。
詳しくは骨を作るにはをご確認ください。
GBRの手術に関する注意
GBRにより骨造成を行う必要がある場合の注意事項です。
- 骨ができるまで、最低半年~1年間必要
- 自分の骨の採取が必要
- 手術後の腫れやある程度の内出血が、避けられない
腫れや内出血を伴う手術
GBRは、技術的に高度で難しい手術です。すべての歯科医が行えるわけではありません。
また、手術後1週間は骨採取部位を中心として、かなり腫れます。
だいたい手術3日目後ぐらいが最大に腫れ、1週間でほぼ7割が引き、2週間で完全に腫れがなくなります。
ある程度の内出血も避けられず、採骨部位の周囲の皮膚に出血斑がでる(青色・黄色へ変色する)場合もあります。
その他のリスク
- 傷の裂開の可能性
- 一部麻痺が発生することが稀にある
傷の裂開のリスク
6ヶ月~1年間、歯肉が裂開しなければ、そのまま静かに骨ができるまで寝かします。
しかし傷の裂開リスクは40%程度の確率で起こるといわれ、今の骨造成術には避けられません。
裂開が起こった場合、口の中のばい菌が入りますが、すぐには膜の中にまで入ることはありません。
大体8週間~10週間、消毒をし傷を治す薬を裂けた部分に塗ることでそのまま膜は置きます。
その後膜は除去し、傷は縫合します。
(裂開すると5日に1回程度の割合で医院に通わなければなりません)
裂開すると、できる骨の量が2割~3割ぐらい減りますが、GBRは失敗というわけではありません。
(喫煙等の生活習慣や全身状態・栄養状態で骨のできる量も異なるため、どのくらいの骨が確保できるかの予測は難しい)
骨が不足する場合には、GBR後にインプラント埋入手術をする場合に、GBRを併用しさらに骨のボリューム確保に努めます。
(2回目の場合には、通常骨の採取を行ないません)
歯茎内部の骨の量を増やすための手術を行なうと、被服していた粘膜の量が絶対的に不足します。
そこで広めに切開し、減脹切開とよばれるカバーする歯茎の内面にメスで切開を一部分入れて伸びるようにして縫合します。
このとき、粘膜を切開した傷が治癒する前に引っ張られて、傷が開いてしまい、傷の一部が裂けてしまうのが傷の裂開です。
麻痺が発生するリスク
極まれに、一部神経麻痺が発生することがありますが、ほとんどが3ヶ月~6ヶ月で消失します。
麻痺が発生した場合にはビタミンB12やATP(アデノシンサンリンサン)投与が大変有効です。
喫煙によるリスクの増大
喫煙はGBRには、絶対禁忌です。
傷の治癒を遅らせ、血行を悪くし、感染のリスクが非常に高まります。