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オールオンフォー

  • 歯がまったく無いあごに、4本のインプラントで片あごすべての歯を支える治療法
  • 欧米では早く行われていて、数年前から日本にも導入されている

オールオンフォー(All-on-Four)は、歯がまったく無いあごに、4本のインプラントでブリッジ状に片あご12本分の歯を支える治療法です。

6本で支える場合はオールオンシックス(All-on-Six)といいます。

オールオンフォーについて

オールオンフォーのイラスト

オールオンフォーは2003年に、ポルトガルのリスボン市内の歯科医ポールマロウ氏(Dr Paulo Malo)により開発されました。
ヨーロッパでは早くから行われていて、日本にも2004年~2005年くらいから導入されている治療法です。

治療法に対しての評価

すべてを否定するほどではありませんが、現段階では、オールオンフォーに対する厳しい評価も存在します。
ヨーロッパではオールオンフォーによるトラブルが非常に多く、訴訟が多いという話を耳にします。
2009年1月の南カリフォルニア大学歯学部教授の講演で『米国ではあまり行われていない』という話もありました。

適応できる場合とできない場合

無歯顎(上下とも歯のない総義歯)の状態で、下あごの前歯のケースの場合は、アーチ型に連結できる場合に限り、長期的な予後が可能と思われます。

アーチ型の形状が力学的にも強く、下あごの前歯部はほとんどが硬い皮質骨でできていて、骨の高さも充分なため可能

しかし上あごの場合は、骨の硬さ・密度は下あごのほぼ半分なので、上あごに適用しても長く持つとは考にくいのです。
ヨーロッパ人でもトラブルの症例が多いのに、欧米人には骨の厚み・高さ・密度ともに及ばない日本人の場合には、なおさら上あごのオールオンフォーは勧められません。
まして女性では、女性ホルモンの量によっては骨のカルシウムが著しく減少し骨粗鬆症になることもあり、上あごでは4本のインプラントで12本分を支え、長期に持たせるとは到底思えません。
いくらバイコーチカルという長いインプラントでの埋入方法や、傾斜埋入を行っても、上顎の場合はリスクが高いでしょう。

オールオンフォーのメリット

外科的・経済的負担がかかるサイナスリフトソケットリフトを避けられるという大きなメリットがあることも確かです。
しかし、インプラントや歯が長期に持たなければ、かえって高くつくことになります。
まだ(10年未満と)歴史が浅く、従来のインプラント治療のように10年・20年経て「長期に持つことが証明された」方法とはまったく異なります。

お勧めできないオールオンフォーとは

残りの天然歯をすべて抜いてしまうと

自分の歯が多く残っているのに「歯周病が進んでいるから」と安易に残りの歯をすべて抜いてオールオンフォーを薦められるケースが見受けられます。
インプラントと違い天然歯の寿命は60年あります。
場合によりますが、多くの天然歯を抜いてまでオールオンフォーにするという治療には、今のところ、大きな疑問を抱かざるを得ません。

現段階では

結論的には『上下とも歯のない方(総義歯のかた)』あるいは『残っている歯が少なく、かつ歯周病に罹っていて天然歯の長期的保存が不可能と思われるケース』に限りオールオンフォーが可能です。
ただし上あごのオールオンフォーは骨の厚み・高さが充分にある方に限られます。

最低必要なインプラントの本数の研究『無歯顎(上下とも歯のない総義歯)に行われた500症例の術後の成功率の検討分析』において、上顎で8本・下顎で6本は最低必要と結論づけられています。
欧米人が対象の研究の結論です。
(2008年米国ハーバード大学歯学部でのインプラントの研究結果の講義より)

手術の術式やインプラント体および機器・機材は、すべてが10年以上の臨床試験を経て市場に出てくるわけではありません。
安い・早い・簡単・長く持つ・見た目が良いというのは、誰しもが希望することです。
しかし安易な宣伝文句に飛びつくと、インプラントが短期でだめになり、結局高くついてしまうことになります。
その時は良くても、場合により骨の崩壊が激しく、二度とインプラントが入れられない状態も充分にありえます。
複数の歯科医院に話を聞いて、後悔のない治療を行いましょう。

オールオンフォー