歯列矯正へのインプラントの応用
- 従来の矯正の問題点を解決し、治療期間を短縮
- 歯列矯正に欠かせないのが、歯を動かすための支えとなる固定源
- インプラントを支えにするため、確実に早く矯正ができる
矯正治療では、歯を動かすための固定源が重要です。
固定源がないため歯の移動が困難なケースがありましたが、インプラントを応用することにより、さまざまな問題が解決しました。
従来の歯列矯正
従来の歯列矯正は、ワイヤーでつながった歯と歯が、お互いに引っ張り合うことによって自然に移動し、歯並びが整っていく、という仕組みになっています。
これには、歯を動かすための残存歯が必要で、残存歯を固定源(アンカー)として矯正します。
アンカー(anchor)とは、船を止めておくための錨、支えやよりどころ、を意味します。
矯正治療では、歯を移動する際の固定もしくは固定源を意味します。
歯列矯正の問題点
矯正治療の分野では、歯を動かすために残存歯の本数が少ないと固定源が得られず、歯の移動が困難なケースがあります。
そこで固定源を強化するために、ヘッドギア装着を必要とする場合がありました。
これは外出先でも常に装着するなど、患者の協力が不可欠なため、効果が分かれてしまいます。
また、健康な歯であっても(特に親知らずなどの)抜歯が必要なケースが多くあります。
難しいケースの歯列矯正では、外科手術をしなくてはなりません。
歯列矯正の治療期間
歯列矯正の治療期間は、通常2~3年かかります。
長い期間ワイヤーを装着しているので、大変に根気のいる治療となり「矯正は子供のうちに」という考えが定着しました。
歯列矯正へのインプラント応用
インプラントによる矯正
インプラントが矯正に応用され始めたのは、1997年頃からです。
インプラントを使った歯列矯正では、顎の骨の中に矯正用に作られたインプラントを埋入し、それを固定源として歯を引っ張り、移動させていくという方法がとられます。
矯正の際に使用するのは、通常のインプラントとは異なり、目的の歯を目的の所に移動させるための固定源としてのインプラントなので、歯の移動後にはインプラントを除去します。
現在、矯正治療用に多くのタイプが製作されており、歯の移動方向に合わせ、さまざまな部位に埋入できるようになっています。
インプラント矯正のメリット
インプラントを支えにして引っ張ると、歯の動きに安定感がでます。
歯がスムーズに動いてくれるので、治療期間が短縮され、通常の半分で済むこともあります。
また、抜歯を最小限におさえることができ、外科手術が少ないのも特徴です。
今まで不可能と考えられていた歯の移動が可能となり、難しい咬み合わせの治療もできるようになりました。
矯正用インプラントは、通常のインプラントと違って大きさも小さく、移動が終了すれば、簡単に除去することができます。
インプラントという絶対的な固定源を得ることで、確実な歯の移動ができるようになり、より精度の高い矯正治療がおこなえるようになりました。